artscapeレビュー

ビジネス・オブ・デザイン・ウィーク(BODW)

2011年01月15日号

会期:2010/11/29~2011/12/04

香港コンベンション&エキシビション・センター[香港島ワンチャイ地区]

design Ed Asiaのシンポジウムにおいてレクチャーを行なうために、香港のビジネス・オブ・デザイン・ウィーク(BODW)に参加した。今年はパートナー・カントリーを日本に設定していたので、飯島直樹、佐藤卓、橋本夕紀夫、中村竜治ら、日本から多くのデザインや建築の関係者も訪れていた。会場は巨大なコンベンションセンターである。千人近い聴衆がつめかけたフォーラムのオープニングでは、深澤直人の講演がトップだった。改めてアフォーダンスへの関心がうかがえたが、ゼロ年代以降の建築界でも、小難しい言葉よりもアフォードを、という雰囲気はある。ちなみに、最終日のラストの講演は隈研吾。展示パートは、学校、企業、各種機関などのブースが並び、東京デザイナーズ・ウィークのような雰囲気だった。BODWの関連イベントでは、いまだすさまじい有刺鉄線に囲まれたヴィクトリア監獄を展示場にした「De tour」が印象深い。香港と日本におけるデザイン関係の学校の作品のほか、無印良品(谷尻誠も参加)や中山英之による檻のなかの大量の水チューブなどが展示されていた。香港がデザインに力を注いでいることが強く伝わってくるイベントである。

2010/12/03(金)(五十嵐太郎)

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