artscapeレビュー

岸田良子 展─TARTANS─

2011年01月15日号

会期:2010/12/14~2010/12/25

galerie 16[京都府]

長年白地図をモチーフにした作品シリーズを展開してきた岸田だが、本展では一休みして新たな作品を発表した。そのモチーフは布地のタータンチェック。シンプルな柄を選んで、P80号包み張りのキャンバスに描いた作品7点を展示した。本人の解説によると、油絵具をアルバース塗り(油絵具をペインティングナイフでパンにバターを塗るように塗った後、別のペインティングナイフで盛り上がった部分を削ぐ技法。画家のジョセフ・アルバースが用いた。油は一滴も使用しない)しているとのこと。布地の柄を写しただけなのに、作品に確かな存在感が漂っているのは、この技法によるところが大だと思われる。

2010/12/14(火)(小吹隆文)

2011年01月15日号の
artscapeレビュー