2019年08月01日号
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artscapeレビュー

MOTコレクション 戦後美術クローズアップ

2015年08月15日号

会期:2015/07/18~2015/10/12

東京都現代美術館[東京都]

1階では戦後70年の美術の流れを通史的に外観しているが、定番ものではないレアな作家・作品が目立つ。まず最初の部屋で、いきなり中原實の見たことのない戦前戦後の作品に出会う。とくに海辺にたむろう水着の男女を描いた《海水浴》は、関東大震災の翌年の制作と知れば白昼夢のようにも思えてしまう。また、池田龍雄かと思った素描と版画は石井茂雄だし、井上長三郎も鶴岡政男もあえて有名な代表作を外してる、といったように。最後の部屋には大岩オスカールの《戦争と平和》(2001)と題された2点組の大作があり、モノクロが「戦争」、明るい色彩が「平和」を表わしているのだが、驚くことに「戦争」のほうは3.11の10年前、つまり9.11の年の制作なのに、津波に襲われたような風景にしか見えないのだ。

2015/07/17(金)(村田真)

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