artscapeレビュー
大野裕之『チャップリンとヒトラー──メディアとイメージの世界大戦』
2015年08月15日号
大野裕之の『チャップリンとヒトラー』を読んでいるが、二人は4日違いで生まれた。世界を恐怖に巻き込むか、笑いを届けるか。二人のメディア戦は激しく、ナチスはチャップリンがユダヤ人だとデマを流し、ちょび髭の物真似風刺を禁じ、映画『独裁者』に圧力をかけ続けた。これはいまの日本と重なる話だと思ったら、ちょうど東京都現代美術館において政治的な問題を扱う会田誠の作品介入をめぐる事件が起きた。
2015/07/25(土)(五十嵐太郎)