artscapeレビュー
大林宣彦『この空の花 長岡花火物語』
2015年08月15日号
3年前に劇場で見て以来、DVDで大林宣彦監督の映画『この空の花』を再度鑑賞する。やはり何にも似ていない、圧倒的にユニークな作品だ。結局、あれから4年が過ぎたが、これを超える3.11映画は出てないのではないか。長岡の花火が時空を超えて、さまざまな歴史と記憶にめくるめく接続する。そして日本の状況が大きく変わり、幾度も繰り返される「まだ戦争には間に合う」の言葉は、むしろ最初の上映時より現在のほうが切実になった。
2015/07/05(日)(五十嵐太郎)