artscapeレビュー

2017年04月15日号のレビュー/プレビュー

《北海道大学総合博物館》

[北海道]

1929年完成の旧理学部本館を使い、総合大学の強みを活かしたヴォリュームのある施設だった。1階の北大の歴史、ラボ、カフェなどはデザインが入った展示空間である。ただ、各学部や各学科のセクションになると、モノは面白いが、展示デザインが全然なかったり、見せるモノがないなど、ばらつきが目立つ。

2017/03/17(金)(五十嵐太郎)

五十嵐淳/五十嵐淳建築設計事務所《MUSEUM STORE》

[北海道]

札幌の二条市場近くにあるデザインのアンテナショップ《MUSEUM STORE》へ。札幌軟石の外壁、木造3階建て、大正時代の倉庫に、白い家型を複数挿入しつつ、店主のセルフビルドによって、リノベーションしたもの。2階に五十嵐淳の事務所、超日本展を開催中のギャラリー、アトリエなどが入る。

2017/03/17(金)(五十嵐太郎)

第5回 荘内教会保育園 幼児画展

会期:2017/03/15~2017/03/19

鶴岡アートフォーラム市民ギャラリー[山形県]

山形県鶴岡市にやってきました。夜の講演の前に街の文化施設をいくつか見て回る。そのひとつがこのアートフォーラム。設計した小沢明は山形市にある東北芸術工科大学の元学長で、槇文彦アトリエの初期のお弟子さんだそうだ。といわれればぼくでもなるほどと思う。正方形を基本としたオフホワイトの建築は、築12年になるのに新品同様に美しい。でも新品同様に感じるのは建築が美しいからだけでなく、あまり使われた形跡がないからでもある。館内には大きな正方形のギャラリーが2つあるが、ひとつは「幼児画展」を開催中で、もうひとつは閉鎖中。カフェも土曜の午後4時というのに閉店だ。ギャラリーもカフェも閉じていれば人は来ないし、人が来なければ閉じてしまう。負のスパイラルではないか。ところでこの「幼児画展」、タダだから入ってみたら、0歳児、1歳児、2歳児……と年齢ごとに分けて展示しているのだが、おもしろいことに3歳児からいっせいに顔らしきかたちが表われ、5歳、6歳と年齢を重ねるごとに絵がつまらなくなる(ありきたりになる)のだ。まあそのくらいのことは本で読んだりして知ってはいたが、まさか鶴岡でこんな見事な実例が見られるとはね。このアートフォーラムのすぐ近くには、妹島和世設計の文化会館が建設中で、すでにフランク・ゲリーばりの異容が姿を現わしている。あとは中身を充実させることだな。

2017/03/18(土)(村田真)

シャセリオー展 19世紀フランス・ロマン主義の異才

会期:2017/02/28~2017/05/28

国立西洋美術館[東京都]

37歳の若さで亡くなったが、シェイクスピアなど文学の世界観、異国趣味を取り入れつつ、ギュスタブ・モローほか、象徴主義に大きな影響を与えた画家である。最後のパートは、パリの会計検査院の階段室で彼が制作したものの、破壊によって失われた巨大壁画や礼拝堂壁画など、建築装飾を紹介する。

2017/03/18(土)(五十嵐太郎)

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舞台芸術創造事業 ストラヴィンスキー「兵士の物語」

会期:2017/03/18

東京文化会館[東京都]

革命や戦争で資産が奪われ、十分なメンバーを集めにくいなか、巡回公演で稼ぐことを考えてつくられた作品である。なるほど、シンプルなアンサンブルと演者陣だった。語り手に能楽師を入れ、台詞、設定、背景を日本化した演出によって、欲望をめぐる兵士と悪魔の駆け引きが描かれる。

2017/03/18(土)(五十嵐太郎)

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