artscapeレビュー

2012年03月15日号のレビュー/プレビュー

ぺちゃくちゃないと2012 クリエイティブ・デザインシティなごや 20images×20seconds

会期:2012/02/23

青少年文化センター アートピアホール[愛知県]

ぺちゃくちゃないと2012クリエイティブ・デザインシティなごやに参加した。遅れて到着したこともあり、トリだった。ぺちゃくちゃナイトは、海外で一度体験していたが、国内では初めて。会場が変わると、全然雰囲気も変わる。だが、20枚のスライドを20秒ずつ映しながらしゃべるという形式は同じ。明快なシステムだからこそ、今や世界各地で開催されているのだが、同時に場所の差異も浮き彫りになるのが興味深い。

2012/02/23(木)(五十嵐太郎)

南川史門「鏡、音楽、マルチメディア」とコーヒーパーティー

会期:2012/02/17~2012/04/01

ナディッフギャラリー[東京都]

ギャラリーには椅子、テーブル、自転車などが置かれ、壁には本人の絵やポスターや鏡などが掛かっている。なぜかデュシャンのレディ・メイドで知られる瓶乾燥器もある。一見雑然としているが、じつはよく考えて配置されてるようで、しばらくいたけど居心地がよかった。絵もさらっとしていて悪くない。こういうセンス、うらやましい。

2012/02/24(金)(村田真)

戸島麻貴展──メタ・モルフォス

会期:2012/02/10~2012/02/26

MEM[東京都]

ボックス状の額縁のなかに、いや額縁状のボックスのなかにというべきか、蝶の絵が入ってる……と思ったら動いている。もちろん生きた蝶が入ってるわけではなく、CGによる合成画像だ。紫がかったメタリックブルーの羽はいわゆるモルフォ蝶ってやつだ。大きなボックスのなかでは10匹以上の蝶が標本箱よろしく整然と並んでいるが、やがて羽ばたき、雲散霧消していく。タイトルの「メタ・モルフォス」は、このモルフォ蝶とメタモルフォーゼ(変身・変態)をダブらせたもの。美しいし、よくできているけど、それだけになにかが足りない。

2012/02/24(金)(村田真)

志村信裕「恵比寿幻灯祭 Dress」

会期:2012/02/10~2012/03/11

TRAUMARIS SPACE[東京都]

キラキラ光るリボンをのれんのように吊るし、そこにキラキラまぶしい映像を当てるとキラキラキラキラするインスタレーションがメインだが、それよりテーブルの隅に置かれた酒瓶に10センチくらいの小さなえびすさまの映像を映し出す作品がカワイくて、ついついお酒を飲みながら聞いてみたら、わざわざこのためにえびすさまにぴったりのモデルを探し出し、トラウマリスのオーナーが成人式に着た振り袖を引っぱり出して前後逆に着せ、大きなキンメダイ(マダイより赤くて映える)を買ってきて持たせるなどけっこう手が込んでいるのだが、しかしなぜえびすさまなのかと根源的な問いにぶつかってしまい、ここは恵比寿でいまは恵比寿映像祭の真っただなかであることに気づくのだった。

2012/02/24(金)(村田真)

トリエンナーレスクール 世界の国際展シリーズ1「ヴェネチア・ビエンナーレでの出来事」

会期:2012/02/25

愛知芸術文化センター12F アートスペース[愛知県]

トリエンナーレスクールとは、あいちトリエンナーレ2013に向けて、いろいろな勉強会を行なう企画である。五十嵐が進行役となり、ヴェネチアビエンナーレ国際美術展2011の日本館コミッショナーを担当した国立国際美術館の学芸員、植松由佳を招き、「ヴェネチア・ビエンナーレでの出来事」について語ってもらう。このときの出品作家は、束芋である。筆者は国際交流基金の国際展事業委員会のメンバーとして、コミッショナー選定のコンペに関わっており、束芋のプランが使いにくい日本館の内部空間をうまく使いこなせるか気になっていたが、中心に井戸に見立てた場所をつくり、見事に活用していた。トークでは、途中からアートとビエンナーレをめぐる資金やお金などの話題が中心になり、あまり表にでない話も聞くことができた。

2012/02/25(土)(五十嵐太郎)

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