2019年12月01日号
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artscapeレビュー

2012年08月15日号のレビュー/プレビュー

あいちトリエンナーレ2013企画発表会

会期:2012/07/25

愛知芸術文化センター 12階アートスペースA[愛知県]

あいちトリエンナーレ2013の実行委員会有識者部会、愛知県公館にて知事との懇談、愛知芸文センターに戻り、実行委員会運営会議、そして企画発表会(記者会見)と、3回同じ話をする日だった。11組の作家を追加で発表、公式デザイナーに廣村正彰、教育普及のコミュニティ・デザイナーに菊地宏子が就任、パフォーミングアーツ部門ではサミュエル・ベケットを基軸にしたことを報告する。これで全体の1/3の作家が公表された。

2012/07/25(水)(五十嵐太郎)

ALA建築プロジェクト 建築学生の挑戦「都市と空き地 vol.1」

会期:2012/07/25~2012/08/19

アートラボあいち 2階・3階[愛知県]

アートラボあいちにおける、建築学生の挑戦「都市と空き地」展を見る。名古屋の9つの研究室が参加し、期間限定の空き地の活用を提案するもの。想像していた以上に、どれもつくり込んだ模型で、なかなかの力作揃いだった。筆者が審査員となり、トリエンナーレでの使いやすさ、仮設と空き地の利用という視点から、1位から3位と佳作を決定する。
最優秀賞の名城大学谷田研究室は、空き地のまわりを足場で取り囲むというもの。この構築物を用いて、さまざまなアクティビティを誘発するが、興味深いのは、名古屋らしさ=金の鯱ということで、全体を金色に塗っていること。ほかのどの案にもない、名古屋的なものへの、あえてキッチュな提案がよかった。2位は、名古屋大学の恒川研究室による、両サイドのビルのパラペットに引っ掛けながら、幾重にもカーテンを吊るすというもの。これもカーテンの引き具合によって、さまざまな場を生みだす。そして3位は名古屋工業大学の伊藤研究室。空き地の状態を残すように、コの字型の建物をつくる。3年で壊すにはもったいないが、むしろ3年後にこういう建物がつくられると、空き地が残ったかのようで興味深い。

2012/07/25(水)(五十嵐太郎)

「隠喩としての宇宙」展──The Cosmos as Metaphor

会期:2012/07/20~2012/09/01

タカ・イシイギャラリー京都[京都府]

「隠喩としての宇宙」展の第一会場、タカ・イシイギャラリーには、木村友紀、土屋信子、ビョーン・ダーレム(Bj rn Dahlem)、平田晃久、前田征紀、矢津吉隆の作品が展示されている。回転する円盤上のLEDの光が錯視で歪んで見える矢津の《Anarog Universe》は能面と組み合わせられた作品でまた存在感が強い。視覚や意識、脳、宇宙と言葉の連想が巡った。木材と鉄、ライトなどを用いたビョーン・ダーレムの小さなオブジェはその名も《宇宙》。木村友紀の二脚の椅子を配置したインスタレーション《11》もだが、こちらの会場は見るものから見えない世界へと想像が広がっていくような作品が多くまた楽しい。



左上=木村友紀《11》(左)、ビョーン・ダーレム《宇宙》(右)
右上=木村友紀《11》(左)、前田征紀《Elemental/ Receptor》(右)
下=会場風景(タカ・イシイギャラリー京都)

2012/07/26(木)(酒井千穂)

伊藤彩 展──猛スピードでははは

会期:2012/07/20~2012/09/01

小山登美夫ギャラリー京都[京都府]

伊藤彩の作品は以前にも同ギャラリーやほかの展覧会で見たことがあったのだが、彼女の作品が、細かなプロセスを経て構成されているという事実は今展で初めて知った。各作品ごとにマケットをつくり、何枚も写真を撮り、視覚的効果を検討してからペインティングにいたる、「フォトドローイング」と伊藤が呼ぶ手法だそうで、今展には、その手法を用いて制作された新作のペインティングと、それに関連したセラミックや紙粘土の立体、木(を使った作品)などが展示されていた。絵画作品のモチーフやイメージが重なる造形物が会場のあちらこちらにあるのが面白い。描かれた場面やイメージをつないでひとつの物語や脈絡を想像するのは難しいが、立体的なコラージュのような世界が広がっていて、それぞれのインパクトも鮮やか。9月1日まで開催されている。


展示風景。左=伊藤彩《They watch THAT together》、右=同《REBORN》

2012/07/26(木)(酒井千穂)

冨倉崇嗣 展

会期:2012/07/16~2012/07/28

Oギャラリーeyes[大阪府]

冨倉崇嗣の新作展。油彩やアクリル絵の具、合成樹脂塗料などで着彩した絵画。全体の色彩や画面に描かれた世界から、視線や意識がだんだん画面の細部のモチーフやその形状に引き寄せられるのは、ときどき冨倉の作品世界を読み解くための「鍵」のようなイメージ(モチーフ)を見つけるせいも大きい。風の流れる方向や時間を想像させる小さな植物や旗の向き、ひらひらと舞う色とりどりの紙の表現。現実から空想の世界にパッと翻るようなイメージが画面に見つかり、想像をどんどん膨らませるので何度も作品の前に立ってしまうし見飽きない。


展示風景

2012/07/28(土)(酒井千穂)

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