2019年07月15日号
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artscapeレビュー

国立現代美術館ソウル館、「MMCA Hyundai Motor Series 2014:イ・ブル」展

2014年12月15日号

会期:2014/09/30~2015/03/01

国立現代美術館ソウル館[韓国、ソウル市]

《国立現代美術館ソウル館》(2013)は、景福宮隣のギャラリー街にある文化的な環境に囲まれていることから、高さを抑え、既存の近代建築をリノベーションしながら、谷口吉生風のモダンな空間を継ぎ出したものだ。動線はややわかりにくい。が、展示は充実していた。まず、吹抜けを利用して、レアンドロ・エルリッヒによる船と仮想水面のインスタレーションが展開する。「イ・ブル」展は2つの新作だった。カンパネラ『太陽の都』に着想をえた、鏡の断片を床に散りばめた大空間と、ブルーノ・タウトのクリスタルのユートピアを参照した、天井から逆さ吊りの巨大インスタレーションである。いずれも、これまで彼女が得意とした手法を、さらに劇的に展開している。コレクションの他は、バウハウスにおけるオスカー・シュレンマーのメカニカルな身体運動や衣装、グロピウスのトータルシアターなどの特集展示、金壽根らの作品を含む、韓国の近代建築のアーカイブ展示、数学的なアートなど、盛りだくさんだった。国立美術館に建築がちゃんと入っているのが羨ましい。

左上:レアンドロ・エルリッヒの作品の展示風景
左下:オスカー・シュレンマーの作品の展示風景
右:「イ・ブル」展の展示風景

2014/11/29(土)(五十嵐太郎)

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