2021年11月15日号
次回12月1日更新予定

artscapeレビュー

2013年04月15日号のレビュー/プレビュー

studio velocity《都市にひらいていく家》

[愛知県]

名古屋にて、studio velocityの新作《都市に開いていく家》を見学した。家を前後の二棟に分けて、その間を3つの細いブリッジがつなぐ。かといって住吉の長屋のように閉じた顔ではなく、道路側は透明なガラスのボックスである。木々に囲まれた中庭で、空中のブリッジを歩く経験は格別なものだ。思い切った家である。

2013/03/24(日)(五十嵐太郎)

路上と観察をめぐる表現史──考現学以後

会期:2013/01/26~2013/04/07

広島市現代美術館[広島県]

広島現代美術館の「路上と観察をめぐる表現史」展は、今和次郎の考現学を起点とし、美術と建築を横断する興味深い試みだった。TAU、コンペイトウ、アーバン・フロッタージュ、トマソン、都築響一、メイド・イン・トーキョー、大竹伸郎など、フィールドワーク的なプロジェクトの現資料や、それに付随して制作されたアート作品が並び、見るものを楽しませる。特にメイド・イン・トーキョーが初めて発表された1996年の建築展に関わっていたこともあり、これが歴史化されていくプロセスはなかなか感慨深い。

2013/03/24(日)(五十嵐太郎)

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鹿田義彦 個展「Images in Transition」

会期:2013/03/08~2013/03/30

ギャラリーt[東京都]

画面中央にビル、その左上に飛行機が写ってる写真が12枚並んでいる。これはなんだろうとよく見たら、1枚1枚飛行機の大きさや機種が違ってるのがわかる。あれ?っと思ってさらに見比べたら、手前を走る自動車や通行人もぜんぜん違うじゃないか。タイトルを見ると「Flight During One Hour」。なるほど、1時間のあいだ定点観測で、飛行機が同じ場所を通過するごとにシャッターを切っているのだ。真っ黒に塗りつぶした地球儀、床の溝にハシゴを立てたインスタレーションも。近ごろ広島市大出身におもしろいアーティストが多い。

2013/03/25(月)(村田真)

林ナツミ「本日の浮遊」

会期:2013/03/26~2013/03/31

スパイラルガーデン[東京都]

林ナツミは今日もまた「浮遊」し続けている。昨年刊行した写真集『本日の浮遊』(青幻舎)や、ブログ、ツイッター、フェイスブック等で展開された活動の報告は世界中で大きな反響を呼び、空中を軽やかに舞う彼女の姿は時代のイコンになりつつあるようにも見える。
今回東京・原宿のスパイラルガーデンの円形スペースに、大きく引き伸ばして展示された作品群は、日付でいうと2011年4月以降に撮影されている。写真集には2011年1月1日~3月31日の「本日の浮遊」シリーズが掲載されているので、今回の展示は未収録の作品のみということになる。それらを見ると、彼女が空中に飛び上がる場所や状況の設定がより多彩で細やかなものになり、表情やポーズはより自然体で、ふわふわと宙を漂うような「浮遊感」がさらに強まっているのがわかる。
注目すべきはベトナム、ビエン・ホアの縫製工場で撮影されたという新作で、その巧みなポージングと画面の構成力は、これまでの「写真日記」のスタイルとは、やや次元の違うものになってきているように感じる。日々のひらめきや思いつきに頼るだけではなく、アイディアをしっかりと熟成させ、完成させていく方向に、彼女の仕事が進みつつあるのではないだろうか。『本日の浮遊』の続編となる写真集の刊行が、ますます楽しみになってきた。

2013/03/27(水)(飯沢耕太郎)

円山応挙 展─江戸時代絵画 真の実力者─

会期:2013/03/01~2013/04/14

愛知県美術館[愛知県]

愛知県立美術館にて、円山応挙展を見る。好き嫌いが分かれる作家だ。まとめて全体の作品を見ると、同一の人物と思えないほど、さまざまなスタイルを駆使し、器用な人だと思う。建築系からは、特に西洋からの眼鏡絵の手法の導入(その事例として、細長く、透視図法を強調できる三十三間堂を選ぶのもうなずける)、ジグザグに置かれることを意識した屏風絵の立体的な表現、そして会場に再現された障壁画と空間の関係が興味深い。

2013/03/27(水)(五十嵐太郎)

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2013年04月15日号の
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