artscapeレビュー
ヴィルヘルム・ハンマースホイ展
2009年01月15日号
会期:9月30日~12月7日
国立西洋美術館[東京都]
建築の側から見ても興味深い展示。特に面白いのは、象徴主義的な絵からスタートしたハンマースホイが、晩年のある時期から、ストランゲーゼ30番地にある彼の自宅をばかりを、ひたすら反復して描き出したところ。似たような構図の絵が何十枚もあり、半開きの扉やつねに後ろ姿で現われる妻イーダの姿、時にピアノや暖房器具などが挿入される。展覧会場では家の間取りも紹介され、どの場所でどの絵を描いたかがわかる。ただのリアリズムではなく、じつは家具やインテリアが作品によって変形したり、位置を変えている。。窓や開口部のモチーフを考えるのにも参考になりそうだ。
2008/12/04(木)(五十嵐太郎)