artscapeレビュー

ファン・ホーホストラーテン《部屋履き》問い直された観る人の立場

2009年01月15日号

会期:12月6日~5月16日

ルーヴル-DNPミュージアムラボ[東京都]

ルーヴル美術館から借りた作品を素材に、DNP(大日本印刷)のメディア技術を駆使して多角的に分析・解釈しようという「ミュージアムラボ」の5回目。今回の作品は、絵画の黄金時代といわれる17世紀オランダの画家ファン・ホーホストラーテンによる風俗画だ。もともとこの作品は遠近法に基づき、多層的な空間構造を描き出しているので「科学的」分析には向いている。そのうえ、タイトルにもなった部屋履きをはじめ、ほうき、鍵、画中画などのモチーフが作品に物語的な奥行きを与えているため、「文学的」解釈の余地も十分にあるのだ。素材がよければ料理はシンプルなほうがいい。

2008/12/05(金)(村田真)

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