artscapeレビュー
金刀比羅宮の屏風展
2009年01月15日号
会期:4月19日~12/末
金刀比羅宮表書院[香川県]
応挙も若冲も由一もパリに巡業中なので、蔵出し屏風の展示を見る。表書院では、ふだんは外側の廊下から内部の障壁画を見る構図らしいが、いまは襖がごっそり貸し出されているので、内部の畳の上を歩いて屏風絵を鑑賞できる。驚くべきは邨田丹陵の《富士巻狩図》。これは屏風ではなく襖絵で、富士の裾野を駆け巡る武士たちが描かれているのだが、その襖を開けると奥の床の間に描かれた雄大な富士の図が現われるという仕掛け。日本美術には意外とこういうパフォーマンスをともなう鑑賞法があってあなどれない。
2008/12/14(日)(村田真)