2019年09月15日号
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artscapeレビュー

琴平プロジェクトこんぴらアート2008・虎丸社中

2009年01月15日号

会期:12月12日~12月14日

虎丸旅館/琴平町公会堂[香川県]

近ごろホテルの客室を使ったアートフェアはよく見かけるが、旅館の和室を展覧会場にする試みはあまり聞いたことがない。これは、こんぴらさんで知られる金刀比羅宮の参道の虎丸旅館と、その近くの重文級の琴平町公会堂を舞台にした展覧会。出品は彦坂尚嘉、吉峯和美、糸崎公朗、廣中薫、澤登恭子ら19組。こうした展覧会の場合、ほかの場所でつくった作品をもってきて展示するだけでは、わざわざ見に行く価値がない。やはり琴平町という地域性や、旅館の部屋という空間性を生かしたサイトスペシフィックな制作が望まれるが、そういう作品はごくわずか。とはいえ、たとえば吉峯の作品は、17世紀オランダを思わせる油絵で和風旅館とはミスマッチなのだが、意外なことに大きさといい色合いといい図柄といい、和室にぴったり合う。一方、天井板にトマトやナスの模型を貼りつけた彦坂の作品は、若冲の天井画からヒントを得たのかと思ったら、ぜんぜん関係ないという。もっとも天井画は金刀比羅ではなく京都のお寺にあるのだが。いずれにせよ「今年はパイロット展」というから、次の展開を期待したい。

2008/12/13日(土)(村田真)

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