artscapeレビュー

益村千鶴 展「Esperanza」

2009年01月15日号

会期:12月9日~12月28日

neutron[京都府]

自身をモデルにして描いた身体の断片(腕、花、唇など)が無言劇を演じているような絵画作品。欠落した身体が示すように絵の中に一種の隙間が設けてあり、観客が自由に物語を紡ぎ出せるようになっている。決して暗くはないが、どこかメランコリックな風合いがあるのもこの人の特徴。現実離れした情景を描いているが、卓越した描写力が絵に説得力を与えている。

2008/12/09(火)(小吹隆文)

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