2019年07月15日号
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artscapeレビュー

HARAJUKU PERFORMANCE+SPECIAL:3日目「ボイス&フィジカル」

2009年01月15日号

会期:2008/12/22

ラフォーレ原宿[東京都]

3日目、登場した多くはコンテンポラリーダンスの分野にカテゴライズされるグループ。珍しいキノコ舞踊団は、ポップで民族色のある音楽をバックに、バレエでもモダンでもない独特のかわいい線を舞台に描く。美しさも可憐さも子どもっぽさも否定しないダンスは、意外にも、この場で本領を発揮していた。KATHYは松田聖子「夏の扉」が流れるなか、いつものフランス人形みたいな衣装で、しかし、手にはナイフ。媚びと攻撃、愛と憎悪、夢と恐怖の混沌は、歌サビの辺り、白い玉を1,000個ほどひたすら観客席に投げつけるところでピークに。心臓の鼓動でシャンデリアを灯す山川冬樹と額縁に貼った紙に血液を走らせドラムを叩く飴屋法水は、身体を媒体にファンタジーと現実のあいだを往復する強烈なコラボレーションを見せた。「生と死」は、子どもを登場させることで「生命の連鎖」というテーマへとスライドした。ファンタジックな後味が山川×飴屋を印象づけたとすれば、Contact Gonzoはあくまでフィジカルな次元にとどまる。殴る蹴る乗っかるなど暴力性はあいかわらずなのだが、混沌の最中きわめて美しい形状が不意に出現しハッとさせられた。そんな一瞬にこそ彼らの賭があるに違いない。その他、伊東篤宏×東野祥子、室伏鴻も出演した。
作品のクオリティ云々というよりパフォーマーの力量が観客を魅了した3日間は、アート・イベントというよりもひとが瞬間集い盛り上がるパーティあるいは祭りというべきものだった。アートの可能性を祭りの可能性としてオーガナイズするキュレイター小沢康夫に今後も注目していきたい。

画像:山川冬樹×飴屋法水のライブ

2008/12/23(火)(木村覚)

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