artscapeレビュー

代替の発想

2009年01月15日号

いよいよ歴史上初の黒人のアメリカ大統領(第44代)、バラク・オバマが正式に就任する。

オバマ氏は、選挙中、「Change」をメッセージに掲げ、その言葉は世界的な流行語となった。氏の就任は、今後さまざまな領域で進む「Change」を象徴する出来事であるのかもしれない。ところで、今冬、東京では、赤坂サカスに2/15までの期間限定でスケート場「The Rink at 赤坂サカス」が開設され、としまえんにもアイスリンクがオープンするなどスケート場ブームになっている。なかでも、日比谷にオープンした多目的広場「日比谷パティオ」で期間限定(12/5~1/4)で設けられたスケートリンクは、プラスチックパネルにワックスを塗った人工のリンクであり、注目された。普通のスケート靴で滑ることができる。本物の氷との微妙な質感の違いはあるものの、普通に滑走を楽しむことのできるリンクであった。転んでも冷たくない。冷却装置が不必要なこのリンクは、冷却に不可欠な電力消費も少なく、環境にも優しいリンクである。氷がプラスチックにChangeしたのである。技術の進歩により、こうした代替がさまざまな領域で起こる予感がある。たとえば、今年、F1カーも新レギュレーションの下で大幅に姿を変える。また、三菱自動車から本格的な電気自動車iMievも発売される。21世紀の最初の十年を経て、眼に見えるかたちで私たちの生活環境にChangeが生まれてきている。こうしたChangeは、さまざまなモノやサービスのデザインにも影響を及ぼすはずである。

The Rink at 赤坂サカス
日比谷パティオ
三菱自動車 iMiev

 

2008/12/31(水)

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