2020年11月15日号
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artscapeレビュー

清川あさみ「美/女/採/集」

2011年12月15日号

会期:2011/11/03~2012/01/22

水戸芸術館現代美術ギャラリー[茨城県]

文化服装学院在学中からモデルとして活動しながら、現代美術、絵本、広告、衣裳などさまざまな分野の作品を発表して注目された清川あさみの、はじめての大型個展。水戸芸術館の会場をいっぱいに使って、有名女優、歌手、宝塚歌劇団の男役スターまでを「採集」して動物に見立てた「美女採集」のシリーズをはじめとして、華麗で派手な作品が並んでいた。写真に刺繍やスパンコールで装飾を施していくという手法は目新しいものではないが、細やかな手技と携帯電話やペデキュアの模様を思わせるちょっとキッチュで可愛い感覚がうまくマッチしている。今をときめく「AKB48」をはじめ、これだけのモデルたちをコントロールしていくアイディアの豊富さと企画力も、なかなかのものといえるだろう。
ただ、どうも気になるのは、装飾を施していくベースになる「写真」が、古くさくセンスが悪いものに見えてしまうことだ。清川自身が撮影しているのか、誰かがアシスタントとしてサポートしているのかはわからないが、スタジオ撮りされた写真のテイストが、1970~80年代くらいで止まっている。かといって中国や韓国のウェディング・フォトのような、過剰なエネルギーを感じさせる俗悪なイメージにも成りきれていない。これはもったいないと思う。アーヴィング・ペンと三宅一生とまではいかないにしても、むしろ力のある写真家とコラボレーションして、持ち前の創造性をもっとのびのびと発揮すればいいのではないだろうか。

2011/11/29(火)(飯沢耕太郎)

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