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三木俊治教授退職記念展「111111──終わりのない行列」

2011年12月15日号

会期:2011/11/11~2011/11/30

東京造形大学付属美術館[東京都]

三木さんとは1987年、ロンドンのテートギャラリーの前で「どこかで見たことのある顔だ」とお互い思ったのか、どちらともなく声をかけて知り合った。聞くと、同じ東京造形大の出身だが、ぼくが入ったときにはもう卒業されていたという。しかしその後も大学に残られたので、やはりお会いしていたのかもしれない。ともあれ彫刻家としての三木さんは、行列する人々の群像で知られている。群像といっても、一人ひとりを見るとたしかに手足は認められるものの大ざっぱには鉄の破片にすぎず、それらが横に連なったシルエットが行列に見えるといういわば現象としての彫刻なのだ。いいかえれば「不特定多数」という概念を彫刻化したような作品。そのせいか彫刻なのに平面的で、重量を感じさせない。美術館を一巡してなにか物足りなさを感じたのは、作品に重量感がないからではなく、学内のふたつのギャラリーでも展示しているのを見逃したからだった。ガーン。

2011/11/28(月)(村田真)

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