2020年11月15日号
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artscapeレビュー

菅木志雄 展

2011年12月15日号

会期:2011/11/05~2011/11/12

来往舎ギャラリー[神奈川県]

昨年、東京画廊の資料展を開いた慶応大学日吉キャンパスの来往舎で、今度は実物の作品を体験しようと菅木志雄を招き、学生とともに制作したという。その作品は東京画廊で展示したインスタレーションの再制作で、長さ2メートルほどの角材を組んだ立方体を三つ並べ、そのなかに矩形に組んだ角材をランダムに入れたもの。まず驚いたのは、東京画廊で展示したときの材料がそのまま(解体されて)倉庫に保存されていたこと。貸し画廊じゃあるまいし、売りものなんだから残しておくのは当たり前といえば当たり前だが、材料自体は単なる角材だから、倉庫代を考えれば必要に応じて材料を買ったほうがずっと安上がりのはず。でもそうしないのが美術品の(というより東京画廊の)エライとこだ。で、再制作なのだが、正確に再現するわけではなく、「こんな感じかなー」とかなりラフに組み立てていったらしい。なるほど、厳密な再現でない分、せめて材料くらいはオリジナルでないと別物になっちゃうからね。完成したインスタレーションは立体なのに量感がなく、なぜか絵画的なイメージが強い。なぜだろうと考えたら、角材の組み合わせが空間に描いたドローイングのように見えたからかもしれないし、矩形の枠が額縁を連想させたからかもしれない。

2011/11/10(木)(村田真)

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