artscapeレビュー

高岡美岐 展

2011年12月15日号

会期:2011/11/22~2011/11/27

アートスペース虹[京都府]

自分が目にした風景を携帯のカメラで撮影し、それを水彩ドローイングに起こし、そしてさらにそれらからタブローに展開していくという作品制作を続けている高岡。その膨大な数の写真、ドローイングの量、そこに費やす時間を想像してみるといつも興味深い。おもに川縁や水辺の光景を描いたものが発表された今展には、3年前にも訪れたという同じ場所の、過去と現在の風景を一枚の絵画にした作品も展示されていた。力強さやスピードがうかがえるさまざまな筆致と鮮やかな色彩は、途切れない時間のなかで変化していく周囲の存在や景色への連想も掻き立てるのだが、ただ感傷的な情緒というものではなく、はじめて目にする風景のような新鮮な印象もある。解説なしで見る者を惹きつける力がもっと上がっていきそう。

2011/11/26(土)(酒井千穂)

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