artscapeレビュー

《静岡県舞台芸術公園》

2011年12月15日号

本部棟、野外劇場「有度」、屋内ホール「楕円堂」、稽古場、研修交流宿泊棟など[静岡県]

SPACの建築出身のスタッフに、静岡の舞台芸術公園を案内してもらう。21haという広大な山間に野外劇場、屋内ホール、稽古場、宿泊棟、本部棟が地形に寄りそうように点在している。磯崎新+鈴木忠志コンビだが、《グランシップ》よりも先に始まった施設だ。平地にそそり立つモニュメンタルな《グランシップ》と比べると、強いかたちを前面に見せない、控えめなデザインが対照的である。ほとんどの劇場は傾斜地を利用し、下に降りるかたちでの動線をもつ。磯崎好みのテアトロ・オリンピコの舞台形式を組み込む、楕円堂の演劇空間は、実に個性的である。

2011/11/18(金)(五十嵐太郎)

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