2020年11月15日号
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artscapeレビュー

「マウリッツハイス美術館展」記者発表会

2011年12月15日号

会期:2011/11/07

時事通信ホール[東京都]

現在改修工事中の上野の東京都美術館が、来年6月にリニューアルオープンする。その特別展第一弾が「マウリッツハイス美術館展」だ。マウリッツハイスといえば「絵画の黄金時代」と呼ばれる17世紀オランダ美術の宝庫。なかでも人気が高いのがフェルメール作品で、3点所蔵するうち《真珠の耳飾りの少女》と《ディアナとニンフたち》の2点がやって来る。とくに《真珠の耳飾り…》が貸し出されるのは「きわめてまれなこと」、とマウリッツハイス館長がネット中継で強調していたけど、数えてみたら日本に来るのは3度目で、どこが「まれ」なんだ? もうひとつの《ディアナ…》にいたっては来日4度目、もう常連ではないか。それにひきかえ、残る1点の《デルフト眺望》はまだ一度も来ていない。《真珠の耳飾り…》の人気が高いのはわかるけど、専門家筋では《デルフト…》のほうが評価は高い。そろそろ《デルフト…》を連れてきてはどうなんだ? あるいは《デルフト…》のほうが価値が高いから貸せないとか? ともあれ、いまさら《真珠の耳飾り…》じゃねーだろ感は否めない。そんなビミョーな空気を察知したのか、フィリップ・ドゥ・ヘーア駐日オランダ全権大使はあいさつのなかで、「もし1点もらえるなら、《真珠の耳飾り…》もいいが、私はフランス・ハルスの《笑う少年》を選ぶ」と述べた。さすが「閣下」、目玉のフェルメールでもナンバー2のレンブラントでもなくハルスを選ぶとは! いったいこの反骨と諧謔の精神を、会場にいた何人が理解しただろう。

2011/11/07(月)(村田真)

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