2020年11月15日号
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artscapeレビュー

ライアン・ガンダー展「墜ちるイカロス──失われた展覧会」

2011年12月15日号

会期:2011/11/03~2012/01/29

メゾンエルメス8階フォーラム[東京都]

会場に入ってすぐ目につくのは床に散らばった数十枚の紙。そこには1枚にひとりずつ似顔絵が描かれており、杉本博司、須田悦弘、西野達らが識別できた。いずれもメゾンエルメスで展覧会を開いたアーティストだが、なぜか実際よりも老けて描かれている。法廷画家に頼んで約30年後の肖像を描いてもらったそうだ。その向こうには、セーヌ河畔でよく見かける古本屋の屋台のような深緑色のボックスがひっくり返り、壁には書籍リストが掲げられている。リストはやはりここで展覧会を開いたアーティストたちが選んだ本の題名で、ボックスのなかにはそれらの本が入っているという。解説を読むと、このフォーラムの開設10周年を記念して、ここで開かれた展覧会を主題にした作品を出しているらしい。いわば「メタ展覧会」。ここに足しげく通った人なら楽しめるかもしれないが、この展示だけ見ても「なんだこりゃあ」だろう。もうひとつの部屋には、ドガ風の踊り子が絵を見てる彫刻とか、イケアの家具を縦に並べたジャッド風ミニマルアートなどもあって、展覧会や美術史そのものにも言及している。ペダンチックな臭みがあるけど、けっこうこういうの好き。

2011/11/07(月)(村田真)

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