artscapeレビュー
『Under 40 Japanese Architects』
2011年12月15日号
http://www.under40japanesearchitects.com/
ベルギーから東北大の五十嵐研に来ていた留学生のヴィンセント・エヒテが修士課程の修了作品として制作した映像『Under 40 Japanese Architects』がウェブ上で公開された。ちょうど東北大学やせんだいスクール・オブ・デザインの講師に訪れていた石上純也、平田晃久、中山英之、西田司らのインタビューと、《KAIT工房》など、彼らの建築を収録したものである。最初に彼に会ったとき、大分の藤本壮介による《House N》のCGを使ったムービー作品を見せてもらったが、その後、日本に滞在し、実際の建物と本人の映像を撮りためて、今回の完成に導いた(残念ながら、タイミングが合わず、藤本へのインタビューはかなわなかった)。途中、東日本大震災による帰国という障害を乗り越えて、日本の若手建築家の現在を知るための、すぐれた映像作品になっている。院生のレベルを超えているのは、本人が建築よりも映像を志しているからだろう。
2011/11/09(水)(五十嵐太郎)