artscapeレビュー

隅田川新名所物語

2011年12月15日号

会期:2011/11/07~2011/11/13

隅田公園リバーサイドギャラリー[東京都]

隅田のリバーサイドギャラリーというから、てっきりウンコビルの隣のすみだリバーサイドホールギャラリーのことだと思ったら大間違いで、浅草側の土手の地下にある細長いスペースだった。ここってふだんなにに使ってるんだろ? 不思議な空間。ここに芸大の教官や学生39人が、台東・隅田界隈にインスピレーションを得た作品を出している。最初は比較的穏やかな平面作品が続き、次第に明治期の浅草の見せ物を描いた齋藤芽生みたいなアヤシゲな作品が増え、最後は映像や光による刺激的なインスタレーションで終わる趣向。とくに最後のほうの高田冬彦と大庭三奈によるピストン運動の映像は、ドテの下をぶち抜いた細長い穴であるこのギャラリーをヴァギナに見立てた作品か。だとすれば、高田におけるペニスは雷門の巨大提灯で、大庭のそれはスカイツリーだ。そしてドンづまりの田中健吾による光の点滅はエクスタシーを表わしていたりして。見てない人にはわからないね。

2011/11/08(火)(村田真)

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