2020年11月15日号
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artscapeレビュー

アジール京都公演

2011年12月15日号

会期:2011/11/18~2011/11/19

永運院[京都府]

永運院という寺院で開催されたダンスと三味線、唄、映像による舞台作品。障子をスクリーンに見立てて映し出される飯名尚人の映画、西松布咏の三味線と唄、寺田みさこのダンスによって、江戸時代に実在した縁切寺のエピソードと現代の男と女の物語が交錯しながら展開するというものだった。庭の木々も紅葉し始めた、風情ある夜の会場自体の趣きが上演作品のイメージに似合っていて、幻想的な雰囲気を演出していたのも良かったが、なによりも感動したのは西松布咏による三味線と唄の音色。私はまったくというほどそれらに関する知識がなく、それは残念なのだが、演奏法や唄の形式の豊かなバリエーション、その高度なテクニックをここではじめて知ることができた気がする。物語の情景、情緒の描写が見事な語りの抑揚、旋律の味わい深さなど、ダンスや映像という表現よりもうんと新鮮に感じられる機会だった。

2011/11/19(土)(酒井千穂)

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