artscapeレビュー
未来食──食に関する3つのストーリー
2015年10月15日号
会期:2015/09/03~2015/11/24
LIXILギャラリー[東京都]
ギャラリーに入るといきなりドハデな彫刻が目に飛び込んでくる。間島領一による巨大な目玉焼きのテーブルと、ニワトリの頭がついた2脚の椅子だ。親子であるという、ただそれだけ。それ以上深い意味があるわけでもなさそうで、いっそ潔いともいえる。これほどストレートに、しかも一貫して、食とアートをつなげた作品を制作し続けているアーティストも珍しい。謝琳は摩天楼や工場などの建物の模型のようなものを写した写真14点。彼女は砂糖やクリームで建築のような構築物をつくっていたが、それを写真に撮ったもの。実物は「食」と「建築」のちょうど中間あたりに位置するが、写真になると質感やスケール感が薄まり「食」より「建築」に一歩近づく。それだけに、これが砂上ならぬ「砂糖の楼閣」だとわかったときのインパクトは増す。でも実物を見たかったな。2カ月以上の展示には耐えられないだろうけど。
2015/09/03(木)(村田真)