artscapeレビュー
風景画の誕生──ウィーン美術史美術館所蔵
2015年10月15日号
会期:2015/09/09~2015/12/07
Bunkamuraザ・ミュージアム[東京都]
背後の窓に風景の描かれた16世紀の宗教画にはじまり、最初の風景画とも呼ばれるパティニールの青い風景画、ボスの模倣者やブリューゲルの追従者たち、絵画の黄金時代といわれた17世紀オランダのホイエン、ロイスダールらの風景画、18世紀のカナレットによるヴェドゥータ(都市景観図)まで、ネーデルラントを中心とした古典的風景画を集めている。印象派の風景画を見慣れた目には、なんで田舎の風景なのにこんなに人が多いんだろうとか、なんで屋外なのにこんなに暗いんだろうとか、なんでネーデルラントは平坦なのにこんなに険しい山が描かれてるんだろうとか思うはず。そりゃ彼らは風景を見て描いたんじゃなく、観念としての風景イメージを受け継いでるだけだからね。
2015/09/17(木)(村田真)
artscapeレビュー
/relation/e_00032207.json
l
10115401