artscapeレビュー
ダニエル・リベスキンド《ドイツ連邦軍事史博物館》
2015年10月15日号
[ドイツ、ドレスデン]
竣工:1841年
ドレスデンへ。リベスキンドの《ドイツ連邦軍事史博物館》が、想像していたよりも素晴らしい。《ユダヤ博物館》と似ているが、古典建築と別棟とせず、現代のリノベーション空間と激しく衝突して、干渉空間を生み、対照的な特徴を相互に強化している。また、《ユダヤ博物館》のばらばらになった感じと違い、展示のデザインや什器も建築とうまく連動している。V2ロケットなど、巨大な兵器のスケールは、展示空間を引き立てる。ともあれ、ドイツは空間が戦争の記憶を抱え、必然的にダークツーリズムになってしまう。
2015/09/22(火)(五十嵐太郎)