artscapeレビュー
流麻二果──一葉
2015年10月15日号
会期:2015/09/05~2015/10/03
ユカ・ツルノ・ギャラリー[東京都]
大小さまざまなサイズのタブローを一列にではなく、壁面のあっちこっちに散らしたディスプレイ。タイトルの「一葉」とは、1枚の葉が落ちるのを見て秋の訪れを知るという「一葉知秋」からとったもので、まさに葉が舞い散るような展示だ。そう思って見ると、絵柄もなんとなく秋らしく感じてしまうのは気のせいか。比べるのもなんだが、フォルムだけ見ればクリフォード・スティルを想起させるけど、スティルが硬質の岩山だとしたら、流はもっと透明でもっと柔らかくもっと湿潤な空気を感じさせるのも事実。これは日米の違いとか男女の違いというより、絵画制作のモチベーションの違いでしょうね。
2015/09/12(土)(村田真)