artscapeレビュー

超克する少女たち

2015年10月15日号

会期:2015/09/08~2015/09/26

ギャルリーパリ[神奈川県]

「超克する少女たち」というタイトルから「超少女」を連想するのは50代以上の人たち。30年ほど前に『美術手帖』が、80年代に急増した若手女性作家を取り上げて「美術の超少女たち」という特集を組み、賛否ともども話題になったものだ。そのころ評論活動を始めた同展キュレーターの室井絵里は、「超少女」にそれ以前の「女流」という言葉と同じく「男性目線的な語感を感じ」たというから、これは「超少女」を超えるべく企画された30年目のリベンジともいえる。といっても別にガチなフェミニズム展ではないし、「少女性」や「女性性」を否定しているわけでもないことは、団塊の世代の石内都から20代の片山真理まで8人の幅広い作品を見ればうなずける。ちなみに、このなかで先の「超少女」特集に登場したのは菅野由美子ただひとり。その彼女も、80年代前半はユーモラスなインスタレーションを発表していたが、やがてシリアスな立体に移行、その後しばらく沈黙し、数年前から油彩による静謐な静物画を手がけるようになって、超少女時代とは完全に断絶している。ほかに立体、写真、映像など作品は多彩だが、花(細淵太麻紀)、器(菅野由美子)、貝殻(アキイノマタ)、衣服や靴(舟田亜耶子)など、女性のシンボルを連想させるようなモチーフが多いのは偶然ではないだろう。

2015/09/08(火)(村田真)

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