artscapeレビュー
2015年08月15日号のレビュー/プレビュー
絵画を抱きしめて Part1:絵画との出会い
会期:2015/07/31~2015/08/23
資生堂ギャラリー[東京都]
阿部未奈子、佐藤翠、流麻二果という3人の絵画展。ギャラリーによれば、3人に共通する特徴は「作品自体が非常に大きいこと」というミもフタもないもの。たしかに阿部と佐藤は具象っぽいけど流は抽象的だし、佐藤と流はペインタリーだけど阿部はフラットだし、流と阿部は水平志向だけど佐藤は垂直志向だし、最大公約数がつかみにくい。でも3人とも作品に華があるのが特徴で、それが3人を選んだ理由ではないかしら。資生堂ですもの。
2015/07/31(金)(村田真)
カタログ&ブックス│2015年08月
蔡國強展:帰去来
横浜美術館で開催される「蔡國強 帰去来」展(2015年7月11日〜10月18日)の公式図録です。本図録は、展覧会に出品される《夜桜》《人生四季:春、夏、秋、冬》《朝顔》の新作3点と、世界のアートファンを魅了した《壁撞き》を含む旧作2点の合計5作を、学芸員による解説付きで紹介するほか、2週間にわたる蔡氏の横浜での滞在制作の様子を収録しました。 また図録の後半には、蔡氏自らの手による自伝「99の物語」を初邦訳し掲載。故郷・泉州での思い出から、無名の作家として日本に移り住み、自らが志す表現と格闘した日々、いわきの人々との交流、そしてNYに拠点を移し世界を代表するアーティストになった現在の心境まで、その人生の軌跡を63の物語から紡いでいます。[出版社サイトより]
シェアの思想/または愛と制度と空間の関係
21世紀のマーケット・トレンド「シェア」。「シェア」の思想によって近代的「愛」「制度」「空間」が変容するとき建築・都市はどのような姿で立ち現れるだろう。[本書帯より]
戦争と平和:〈報道写真〉が伝えたかった日本
戦中・戦後の〈報道写真〉が辿った軌跡を追う。1930年代、日本文化を海外に紹介。その後プロパガンダに変容し、占領期・冷戦期の情報戦に果たした役割まで一望する。戦後70年特別企画。IZU PHOTO MUSEUMで来年1月31日まで開催中の同展のカタログ。今月号のfocusとartscapeレビューに関連記事掲載。
巨大化する現代アートビジネス
リーマン・ショックもなんのその、世界最大の近・現代アートの見本市「アート・バーゼル」の売上規模は4日間で数百億円。ジェフ・クーンズの作品1点に60億円近い値がつくなど、現代アートの落札額は高値を更新しつづけている。バーゼル、ヴェネチア、NY、ロンドン、パリ、ベルリン、マイアミ、上海を総力取材!画商・ギャラリスト、競売人、学芸員、投資家、セレブ、コレクター、ジャーナリスト…アート界を牛耳る「100人」の思惑が入り乱れる“アートの現場”に果敢に斬りこむノンフィクション![出版社サイトより]
箱の設計 自由自在に「箱」を生み出す基本原理と技術
本書は、コピーして使えるテンプレートを提供するだけのパッケージ関連本とは全く異なります。デザイナーが既存のデザインをベースに箱やパッケージを制作するのではなく、それぞれ固有の用件にかなったオリジナルの立体形状を自ら作り出せるように導くものです。「心に留めておいてほしい。この本は“何を”デザインするかは教えない。あなたがデザインしたものを、“どのように作るか”を教えている」─ ポール・ジャクソン[出版社サイトより]
ひらく美術 地域と人間のつながりを取り戻す
世界最大級の国際芸術祭「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」。新潟県の里山を舞台に、美術による地域再生を目指して、3年に1度開かれている。本書は、その総合ディレクターによる地域文化論である。文化による地域活性化とはどのようなものか。人と人、人と自然、地方と都市が交わるためにはどうすればいいのか。さまざまな現場での実践をもとに、地域再生の切り札を明かす。[出版社サイトより]
ティンカリングをはじめよう――アート、サイエンス、テクノロジーの交差点で作って遊ぶ
「ティンカリング」とは、家財道具を修理してまわった流しの修理屋(ティンカー)を語源に持つ言葉で、さまざまな素材や道具、機械を「いじくりまわす」こと。デザインセンスや問題解決の力を高めることができる手法として近年注目されています。本書は、体験型科学博物館として知られる「エクスプロラトリアム」のメンバーと、そこに集うMakerがティンカリングした22点の作品について、その背景、使われている手法、初心者向けの簡単な作り方を解説した書籍。それぞれの作品は、凧を使った空撮、光で空中に描くアート、塩をたっぷり入れた粘土で作る電子回路、フェルトで作る機械、そして少しブラックなオートマタ、ウェアラブルな電子回路など、自分でも作ってみたい!と思うものばかり。[出版社サイトより]
日本列島「現代アート」を旅する
本書は、日本に数ある現代アート作品の中から、これだけは絶対見ておきたい傑作10点を著者が選び抜いて紹介します。20世紀芸術の申し子、イサム・ノグチの「エナジー・ヴォイド」やアメリカが生んだ抽象絵画の頂点、マーク・ロスコの「シーグラム壁画」から、ゴミを擬態した三島喜美代の驚きのアートまで、様々な種類の現代アート作品を網羅しています。そして、その作品の楽しみ方はもとより、そのアーティストの人となり、作品が生まれた時代背景などまで、詳しくわかりやすく解説しています。[出版社サイトより]
2015/08/15(土)(artscape編集部)