2020年07月01日号
次回7月15日更新予定

artscapeレビュー

2015年02月15日号のレビュー/プレビュー

DJもしもし展

会期:2015/01/26~2015/02/01

momurag[京都府]

小麦粉を使った生地が焼かれて、さまざまな形に成って、飛び散っている、蟻にも食われている、いくつかはターンテーブルの上で回っている。薄暗い中、脚立はそのままだったり、コードは出しっ放しだったり散らかっていて、足の踏み場もない空間。ベージュ系の色合いの小麦粉の彫刻物は、ひょっとしたら、私たちの世界を形成している最小単位なのではないだろうか。汚いものにも崇高なものにも見えてくるような、そんな気も起こさせてくれる無言さで、終始ぐるぐるまわっていた。
この状態に至る制作者の思考を追体験できないかと、狭い部屋をうろうろしてみるが、あまりまとまらない。2階に展示されると張り紙にあった動画は見ることが出来ず。

2015/01/28(水)(松永大地)

建築のこころ ─アーカイブにみる菊竹清訓展─

会期:2014/10/29~2015/02/01

国立近現代建築資料館[東京都]

国立近現代史資料館の「建築のこころ アーカイブにみる菊竹清訓展」を見る。模型、図面、スケッチなど、想像以上に作品の点数が多いが、実はこれでも一部しか使っていないヴォリューム感だった。デジタル化された資料を閲覧できるのも良い。裏面も使っている学生時代のスケッチ、ドローイング、1950年代のブリジストンの仕事、京都会館のコンペ企画書など、見所が多い。これなら美術館で開催しても全然おかしくない内容である。

2015/01/30(金)(五十嵐太郎)

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TANGE BY TANGE 1949-1959 / 丹下健三が見た丹下健三

会期:2015/01/23~2015/03/28

TOTO ギャラリー・間[東京都]

彼が自ら撮影した写真展なので、伸ばした写真の展示と思いきや、コンタクトシートを台の上に並べるという展示の手法だった。丹下がトリミングの赤を入れる前と、切り取った画像を左右で比較できる映像が良かった。自邸はなんとヘリコプターから撮影している。ともあれ、丹下は、実現した建築を再度、写真を通じて自分の手にとりかえすかのように撮影していたのではないか。

2015/01/30(金)(五十嵐太郎)

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Into your whirlpool

会期:2015/01/23~2015/02/06

Gallery G-77[京都府]

近年海外での発表などが続いていた山元ゆり子による、活動の拠点としている京都での久々の個展だ。アメリカで発表された作品の一部分だという《into your whirlpool》は、真っ暗な部屋を使ったインスタレーション。視界の方向や地形が識別不能となる、ホワイトアウト現象のような体験が光と音によって周囲に立ちあがる。一筋の手がかりのような、かすかな物語の存在を示唆させるところが、個性的で興味深かった。
2階には、影を使った彫刻作品ともいうべき小品があり、そこにも、SF小説にある心をつかむ冒頭の1行目のような、見落としてしまいそうな、物語の気配。

2015/01/30(金)(松永大地)

「神々のたそがれ」試写

会期:2015/01/30

シネマート六本木[東京都]

地球より800年ほど進化の遅れた人たち(?)の住む惑星に、地球人が派遣され……という「SF映画」。だと思って見に行ったら、期待は見事に裏切られたというか、予期せぬ映画として楽しめた。殺戮、糞尿、血、家禽、内臓、その他モノクロでなにがなんだか判別のつかないものが3時間にわたって画面にぶちまけられるのだ。もうストーリーなんてあってないようなもの。まあ、タルコフスキー監督『ストーカー』の原作者であるストルガツキー兄弟のSF小説が原作なので、あらかじめ覚悟はしていたが。登場人物が押せ押せで画面に入り込んだり、カメラ目線でこちらに微笑んだり、かなりセルフコンシャスな映画。

2015/01/30(金)(村田真)

2015年02月15日号の
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