2019年07月15日号
次回8月1日更新予定

artscapeレビュー

2015年02月15日号のレビュー/プレビュー

しりあがり寿「絵画の存在とその展開について」

会期:2015/01/08~2015/02/13

art space kimura ASK?[東京都]

作者名とタイトルが結びつきにくいが、実際に見るとわからないでもない展覧会。同じような花瓶の絵が壁に11点、床に6点、いずれも額縁つきで展示されている。異常なのは、これらの作品がすべて回転していること。絵を動かすのは人類が長いあいだ夢見てきたことだが、いまどきだれでも動画を撮れるようになったし、いっそ画面そのものを動かしてみたってか。地下のギャラリーでも壁に1点、スポットライトを浴びて回ってる。タイトルの「展開」は「回転」の間違いじゃないか。そういえば以前、しりあがり氏の弟が関わっていたアーティストのオーディションで、絵がガタガタ動く作品があったなあ。

2015/01/09(金)(村田真)

第9回 シセイドウ アートエッグ「川内理香子 展 Go down the throat」

会期:2015/01/09~2015/02/01

資生堂ギャラリー[東京都]

公募で選ばれた新進アーティストの連続個展。第1弾の川内理香子は、しりあがり寿のヘナヘナな線とマルレーネ・デュマスのざっくりとした水彩を組み合わせたような、一見ヘタウマ。でもよく見ると相当うまい素描だ。

2015/01/09(金)(村田真)

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シンシティ 復讐の女神

『シン・シティ 復讐の女神』(監督:ロバート・ロドリゲス、フランク・ミラー)を見る。女性が関わる、2つの復讐劇が物語の主軸をなす。前作と同様、漫画の世界観を同じ手法の白黒による劇画的な画面(一部カラーとなるが)によって映像化し、ある意味では予想通りのノワールだ。今回、ファム・ファタルのテイストが、より強調されたのは、『300』に続き、エヴァ・グリーンがはまり役の存在感ある悪女だからだろう。

2015/01/10(土)(五十嵐太郎)

六甲の住居

[兵庫県]

島田陽さんが設計した六甲の住居(2011)を見学する。1階が鉄骨スケルトンの透明な直方体で、その上に家型のヴォリュームが浮かぶ家だが、一体どうやって暮らすのかと思いきや、急傾斜の階段が続く、突き当たりの特殊環境ゆえに導かれた形式で、なるほど、見事に成立している。内部は、什器は少ないが、モノが多く、倉庫のようだ。二階の間仕切りには、神戸ビエンナーレ2011で島田さんがインスタレーションで用いたのと同じ素材を使っている。外周のバルコニーが構造を兼ねており、空間は軽やかである。

2015/01/11(日)(五十嵐太郎)

阪神淡路大震災20周年事業「加川広重 巨大絵画が繋ぐ東北と神戸2015」

会期:2015/01/10~2015/01/18

デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)[兵庫県]

KIITOの阪神淡路大震災20周年事業「加川広重 巨大絵画が繋ぐ東北と神戸2015」を訪れる。山岸剛さんが継続的に被災地を撮影している写真展のギャラリーツアー、荒蝦夷の土方正志さんによる震災本のトーク、松村豪太さんらの街づくりセッションなどが行われていた。仙台在住の加川広重さんは、水彩による巨大絵画をせんだいメディアテークで発表し、それが神戸へ、来年はフランスに行く予定である。被災地で「これは映画ではない」と思った感覚は、正面以外の全方位に展開する風景だったが、幅16mに及ぶ絵はその雰囲気を思い出させる。今回は原発の絵画を展示し、宮本佳明の原発神社と対峙する。槻橋修さん、宮本さん、リアスアーク美術館の山内泰宏らとともに、シンポジウム「震災に向き合う表現~大地と記憶」に登壇したが、討議では、いまやかさ上げの土木工事によって、被災地では人為的な風景の破壊が進むことが話題になった。


左:山岸剛写真展「Tohoku - Lost, Left, Found」ギャラリートーク 右:槻橋修「失われた街」模型復元プロジェクト



ウェブサイト http://www.kagawaproject.com/

2015/01/11(日)(五十嵐太郎)

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