artscapeレビュー
2011年01月15日号のレビュー/プレビュー
プレビュー:森村泰昌「なにものかへのレクイエム──戦場の頂上の芸術」
会期:2011/01/18~2011/04/10
兵庫県立美術館[兵庫県]
三島由紀夫、チェ・ゲバラ、パブロ・ピカソなど戦争や革命の動乱の20世紀を生きた男たちの姿に挑んだ〈なにものかへのレクイエム〉シリーズを完全版で紹介。最初の発表以降注目を集めてきたシリーズだが、関西では初の展示となる。またコレクション展示として、森村の熱心なファンであるコレクターO氏が蒐集した寄贈品が並ぶ小企画「『その他』のチカラ。森村泰昌の小宇宙」もあわせて開催されているが、なかには、陶器や「書」など、作品制作の傍らで手を動かす作家の日常が垣間見えるようなものも。さまざまな人物に扮するアーティスト自身の姿がリアルに、そしてちょっと身近に感じられる展示。これまでの“主要”な作品群とその世界観の厚みと強度が増す、魅力的な会場だと思う。
2011/01/06(木)(酒井千穂)
プレビュー:稲垣元則とENK DE KRAMER
会期:2011/01/24~2011/02/05
Oギャラリーeyes[大阪府]
面が凹凸と起伏するカーボランダム版画という技法とドライポイントなどを用いた作品を発表しているベルギー在住の作家エンク・デ・クラマーと、身体や自然物をモチーフにした写真、映像などを制作している稲垣元則。それぞれの作品のイメージはまるで異なるが、静穏な緊張感のなかで深奥を窮めるような作品世界がどちらも印象的な二人の展覧会。どのような空間になるのか注目したい。
2011/01/06(木)(酒井千穂)
カタログ&ブックス│2011年1月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
アルブレヒト・デューラー版画・素描展 宗教/肖像/自然
2010年10月26日〜2011年1月16日まで国立西洋美術館にて開催された「アルブレヒト・デューラー版画・素描展 宗教/肖像/自然」展本カタログ。図版160点、モノクロ170点を収録。
Behaviorology
塚本由晴と貝島桃代による建築家ユニット「アトリエ・ワン」の作品集。住宅に加えて、国内外でのモバイルプロジェクト、インスタレーション、リサーチ、フィールドワークなど多彩な活動も紹介。
FILM SOCIALISME
2009年製作、2010年公開、ジャン=リュック・ゴダール監督によるフランス・スイス合作の長篇劇映画「ゴダール・ソシアリスム」の内容をまとめたカタログ。
にっぽんの客船 タイムトリップ
INAXギャラリーの巡回展「にっぽんの客船 タイムトリップ」展カタログ。日本のデザインの完成形をみることができる客船として、大阪商船(現・商船三井)の「あるぜんちな丸」と、東京湾汽船(現・東海汽船)の「橘丸」を中心に、当時、限られた人々のみが搭乗を許された優雅な空間や趣向を凝らしたおもてなしなどを紹介。
デザイナーズ集合住宅の過去・現在・未来 展
「デザイナーズ集合住宅」はなぜ、ガラス張りのトイレやお風呂ばかりなのでしょうか? そこには、どんな人が住んでいるのでしょうか? 本カタログは、2010年3月10日〜3月20日まで新宿NSビルにて開催されていた「デザイナーズ集合住宅の過去・現在・未来 展」にあわせて編集された一冊。
2011/01/17(artscape編集部)