2019年07月15日号
次回8月1日更新予定

artscapeレビュー

2014年12月15日号のレビュー/プレビュー

ヴィック・ムニーズ“SMALL”

会期:2014/11/24~2014/11/29

nca[東京都]

すぐに消えてしまう液体や粉で絵を描いたり、ゴミを集積して人物画をつくったりしてきたヴィック・ムニーズ。新作ではミクロの世界に挑んでいる。1粒の砂の表面に城を描いた「サンドキャッスル」シリーズと、培養シャーレ内の細胞を幾何学パターンに配列した「コロニーズ」シリーズで、もちろん肉眼では見えないので、MITの協力を得てナノテクで制作・撮影したもの。砂上の楼閣ならぬ砂中の楼閣。そこまでやるか。以前の液体の作品にしろゴミの作品にしろ、実物ではなく写真でしか見られないし、残せない。てことは、彼の作品はすべて「証拠写真」ということだ。

2014/11/14(金)(村田真)

ウィレム・デ・クーニング展

会期:2014/12/08~2015/01/12

ブリヂストン美術館[東京都]

近代美術のイメージが強いブリヂストン美術館でウィレム・デ・クーニングというのも意外な気がするが、数年前にはザオ・ウー・キーの回顧展もやったし、ポロック、デュビュッフェ、スーラージュら抽象表現主義やアンフォルメルの画家たちの作品もコレクションしてる(今回も常設展に出ている)から、想定外というわけではなさそうだ。といっても今回のデ・クーニングは館蔵品ではなく、ジョン・アンド・キミコ・パワーズ・コレクション(リョービ財団に寄贈)から借りてきたもの。パワーズ・コレクションといえば昨年「アメリカン・ポップ・アート展」で紹介されたが、版画や素描が多くてがっかりした覚えがある。今回の出品は油彩と素描を中心とする女性像35点。比較的初期の1951年のものが2点あるが、あとの大半は60年代後半の制作で、なかでも65-66年の作品だけで20点を超す。初期の2点がいちばん緊張感があるように思うけど、そうじゃなくても特定の時期の同じテーマの作品を集中的に見られるのは貴重な機会だ。とくにこのころはポップアートが全盛を迎える時期なので、そんな背景を考えながら見るのもおもしろい。大規模な特別展ではないけれど、中規模のテーマ展としては満足。

2014/11/14(金)(村田真)

artscapeレビュー /relation/e_00027854.json s 10105742

コスミック・ガールズ

会期:2014/11/27~2014/11/16

丸の内ハウス[東京都]

荒神明香、小林エリカ、スプツニ子!、力石咲の4人による「宇宙少女展」。まず出会うのは、大小の円形アクリルレンズを吊り下げた荒神の《コンタクトレンズ》。扁平なのに球体が浮いてるように見えて、そこだけ時空の変容を感じさせる。小林の《半減期カレンダー》は、ラジウム226の半減期である1600年のカレンダーをA1サイズの紙に印刷したもの。全部で1600枚刷り、お持ち帰り自由だ。スプツニ子!の《ムーンウォーク☆マシン、セレナの一歩》は、月面に女性の足跡を印すマシンをつくるというプロジェクト。実際にNASAなどの協力を得てつくっちゃうのはさすがだが、それをPVで見せられてもなあ。力石の《ニットインべーダー》は、会場の数カ所に置かれた椅子やテーブルに緑色のニットカバーを被せたもの。こういうの好きだけど、似たようなこと海外で街路樹やパーキングメータにやってる人いるよね。

2014/11/14(金)(村田真)

神様の言うとおり

いきなりのダルマからコケシまでは、わりと原作に近いで進行するが、その後に展開するゲームの性格がだいぶ違う。どうせ三池崇史で残酷描写をやるなら、『悪の教典』くらいにぶっ飛んで欲しいのだが、後半は妙にヒューマンな心理戦になってしまう。また伏線も回収せず、不満である。こうした形式の漫画の実写映画版は難しいのだろうか。

2014/11/15(土)(五十嵐太郎)

重要文化財ブルーノ・タウト《熱海の家(旧日向別邸)》特別公開

会期:2014/11/15

[静岡県]

熱海で、ブルーノ・タウトによる《日向邸》(1936)を見学した。二度目の訪問だったが、今回は詳しい案内付きで、かなりじっくり時間をかけて鑑賞することができた。与えられた躯体の地下空間のリノベーションであり、インテリアの仕事なのだが、アプローチに始まって、その空間を大胆に変えている。設計の際、どれだけタウトが体験した日本の空間と、彼の好みをつぎ込むかなど、細部の情報量が多く、いろいろ考えさせられる建築である。

2014/11/15(土)(五十嵐太郎)

2014年12月15日号の
artscapeレビュー

文字の大きさ