2021年09月15日号
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artscapeレビュー

2009年01月15日号のレビュー/プレビュー

荒川修作《三鷹天命反転住宅》

[東京都]

超カラフル&ポップな円筒形と矩形のボックスを組み合わせた建築。床がフラットでない、インターホンが傾いている、数多くの天井のフック、球形の部屋など、あらゆる場所で身体的な負荷をあえてかけさせている。一室が公開されており、予約を取れば見学可。集合住宅であり、実際にはクリエイターが多く住んでいるという。ビビッドなカラーが、しばらくいると意外と気にならないことを知る。複数の外国人建築学生と訪れたのだが、彼らがめちゃくちゃ喜んでいた。

2008/11/28(金)(松田達)

ヘルマン・ニッチ

会期:11月12日~12月6日

山本現代[東京都]

「横浜トリエンナーレ2008」でひときわ異彩を放っていたヘルマン・ニッチの個展。横トリの作品はキリスト教の文脈が強調されていたが、こちらはむしろポルノショウのようで、じつは両者がそれほど明確に分けられるものではないことを暗示していた。

2008/11/29(土)(福住廉)

横浜アート&ホームコレクション

会期:11月28日~11月29日

横浜ホームコレクション(住宅展示場)[神奈川県]

横浜美術館の裏に広がる大規模な住宅展示場での展覧会。ハウスメーカー17社によるモデルハウスの室内に、30弱ほどのギャラリーがアート作品を展示している。大方の予想どおり、快適な部屋にフィットさせようとしたこれみよがしな平面作品が大半を占めていた。そこそこ売れるのだとしたら、画廊や作家の側にはよいことなのかもしれない。ただ、見る側としては、「こんなとこに住めるのか?」と問いたくなる、ラブホテルのような建売住宅のほうが、よっぽどアートであると言っておきたい。

2008/11/29(土)(福住廉)

文殊の知恵熱

会期:11月29日

BankART Mini[神奈川県]

とうじ魔とうじ、松本秋則、村田青朔によるパフォーマンスユニット「文殊の知恵熱」の公演。数百人の観客が埋め尽くす会場のなかを、3人がところ狭しと行き交い、手作りの奇妙な楽器によってさまざまな音を出して、文字どおり「遊んでいた」。それが面白いのは、観客を無理やり巻き込む「参加型」の作品というより、むしろこちらから積極的に参加したくなる遊びだからだ。文殊の知恵熱はもちろん、会場全体が熱を帯びていた。

2008/11/29(土)(福住廉)

ひらがなアート~チバトリ~

会期:11月15日~11月30日

WiCANアートセンター、千葉市美術館ほか[千葉県]

「深淵」を見せつけた(らしい)横浜の国際展とは対照的に、等身大のアートを魅せる千葉の展覧会。アンデパンダンがあり、「風俗美術館」なる企画展もあり、ワークショップにトークショーなどなど、盛りだくさんの内容だ。なかでも傑作だったのが、千葉城の天守閣で発表された岡田裕子の映像作品。いつものように全体的な尺が若干長すぎる気がしないでもないけれど、それでも地元住民をキャスティングしながら、また市内各所でロケ撮影しながら、若い男女が結ばれる物語をコミカルに映像化した手腕には唸らされる。そもそも入館料60円を支払って天守閣に登り、そこで城下町を舞台とした映像を鑑賞するという経験じたいが、十分アートと言えるが、それは「ひらがなアート」というより、その場でしかありえない「地産地消アート」というべきかもしれない。ぜひ次回も開催してほしい。

2008/11/30(日)(福住廉)

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