2021年09月15日号
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artscapeレビュー

2009年01月15日号のレビュー/プレビュー

螢座caravan

会期:12月5日~12月14日

本町実験ギャラリー[神奈川県]

BankARTスクール田中信太郎ゼミの受講生によるグループ展。ゼミは「手のひらサイズのワークショップ」だったので小品が多い。内容はともかく、展示はじつにすっきりとまとめられていて、まるで現代美術。ていうか、現代美術なんですけど、展示次第でワンランクもツーランクも上に見えてしまうところがスゴイというか、チョロイというか。これも信太郎マジックか。ちなみに受講生は、学生、市役所の職員、ジュエリーデザイナー、美術ジャーナリスト(ぼくです)などさまざま。

2008/12/09(火)(村田真)

益村千鶴 展「Esperanza」

会期:12月9日~12月28日

neutron[京都府]

自身をモデルにして描いた身体の断片(腕、花、唇など)が無言劇を演じているような絵画作品。欠落した身体が示すように絵の中に一種の隙間が設けてあり、観客が自由に物語を紡ぎ出せるようになっている。決して暗くはないが、どこかメランコリックな風合いがあるのもこの人の特徴。現実離れした情景を描いているが、卓越した描写力が絵に説得力を与えている。

2008/12/09(火)(小吹隆文)

ネオ・トロピカリア:ブラジルの創造力

会期:10月22日~1月12日

東京都現代美術館[東京都]

長谷川祐子さんとの対談があり、その直前に展覧会を見る。2004年、国立近代美術館でもブラジルをテーマとしたボディ・ノスタルジア展が開催されたが、今回はより若手にも、そして建築系も積極的に紹介している。いまだ日本には、建築の専門的な美術館がないことを考えると、美術館において美術と建築を同等に扱う試みは貴重だ。リジア・クラークの造形はやはり美しいし、リナ・ボ・バルディの知られざる建築プロジェクトも楽しめる。

2008/12/10(水)(五十嵐太郎)

フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち

会期:8月2日~12月14日

東京都美術館[東京都]

「一生に一度」というコピーは使い古されている気がしないでもないが、この手の展覧会には必ずといっていいほど、こうした強迫的な宣伝文がつきものだ。後学も兼ねて1時間待ちの列に並び、やっとのことでフェルメールと対面。しかし、強い印象を覚えたのは、むしろヘラルト・ハウクヘーストによる《デルフト新教会の回廊》。三次元を二次元に無理やり落とし込むためのさまざまな工夫が解説されるとともに、現在の教会内部を写真で紹介するなど、展示手法がじつに丁寧で、わかりやすい。

2008/12/10(水)(福住廉)

「さて、大山崎」山口晃 展

会期:12月11日~3月8日

アサヒビール大山崎山荘美術館[京都府]

人気画家、山口晃の関西初個展。豊臣秀吉と明智光秀による「山崎の合戦」や、千利休の茶室「待庵」など、歴史遺産に富む大山崎を題材にした新作が多数発表された。中でも明智光秀一行をモチーフにした《最後の晩餐》や、《摩利支天》《土民圖》などは、冴えた手腕が発揮されており見応えがあった。モネの名画や壁の染みを独自の絵画作品に見立てた新館の趣向も洒落が効いていたが、これはさすがに狙いすぎでは? 一般客にどこまで伝わるか、正直言って微妙だ。

2008/12/10(水)(小吹隆文)

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