artscapeレビュー
2015年10月15日号のレビュー/プレビュー
イーストサイド・ギャラリー
[ドイツ、ベルリン]
25年前にベルリンを訪れたときは、分断が終わった直後だったので、まだ壁が多く残っていた記憶があるが、いまはほとんどない。ただし、壁を残して画家の長大なキャンバスとしたイーストサイドギャラリーがある。ただの落書きのような作品が多いが、紛れもない歴史の証言者だ。こうしてベルリンは都市の記憶を空間に蓄積している。
2015/09/24(木)(五十嵐太郎)
DDRミュージアム
[ドイツ、ベルリン]
旧東ドイツの暮らしを紹介するDDRミュージアムへ。大上段に構えず、なんでもない日用品が大量に展示されている。が、それこそが記憶のトリガーとなり、おそらく高齢者はある種のノスタルジーを感じる一方、修学旅行なのか、若い学生がいっぱいで、平成生まれが昭和時代を見るようなまなざしだった。
2015/09/24(木)(五十嵐太郎)
旧ナショナルギャラリー
[ドイツ、ベルリン]
表現派と印象派の企画展のために、連日、異常に長い行列だった旧ナショナルギャラリーが、常設のみ開館の日だったおかげで、ようやく入ることができた。今度、五十嵐研でエクスナレッジから刊行する美術と建築の本でも取り上げる、シンケルやフリードリヒのロマン主義的な絵画を展示している。ただし、ベックリンの部屋は見ることができなかった。
2015/09/24(木)(五十嵐太郎)
ボーデ博物館
[ドイツ、ベルリン]
竣工:1904年
大改造中のペルガモン博物館を横目に見て、ボーデ博物館へ。ここも巨大である。中世からバロック、彫刻、貨幣などを展示する。彫刻や絵画が建築と密接に関わるので、中世のパートが面白い。また、企画展は、敗戦時に失われた、あるいは破損した収蔵品がテーマだった。消えた作品を複写やレプリカで表現したり、修復の技法を紹介する。
写真:左上=改造中のペルガモン博物館、その他=ボーデ博物館
2015/09/24(木)(五十嵐太郎)
《フンボルト・ボックス》
[ドイツ、ベルリン]
東ドイツ時代に王宮を破壊し共和国宮殿を建てたが、統一後にこれを壊して王宮を再建するプロジェクトを紹介する施設。むろん「王」宮にならないので、巨大な文化複合施設フンボルト・フォーラムが登場する(アジア、アフリカ、アメリカの民族学展示など)。すでに躯体を建設中だった。
写真:左上=建設中の《フンボルト・フォーラム》、右上=同模型、左下=《フンボルト・ボックス》、右下=旧宮殿模型
2015/09/24(木)(五十嵐太郎)