artscapeレビュー
阪神・淡路大震災から20年
2015年01月15日号
会期:2014/11/22~2014/03/08
兵庫県立美術館[兵庫県]
1995年1月17日に起こった阪神・淡路大震災。今年は震災から20年という節目の年であり、兵庫県内の複数の美術館・博物館などで震災関連の展示が行なわれる。その先陣を切って開催されているのが本展だ。展覧会は3部構成で、第1部「自然、その驚異と美」では、プロローグとして日本人の自然観を表現した作品が並び、第2部「今、振り返る─1.17から」では、当時の美術館の被災状況やその後の取り組み、芦屋にあった写真家・中山岩太のスタジオから作品と資料を救出した文化財レスキューの活動、作品の保存・修理と記憶を受け継ぐための教育・普及事業を紹介、第3部「10年、20年、そしてそれから」では、写真家の米田知子が2005年に芦屋市で制作・発表した写真シリーズを展示した。展覧会を見て気付いたのは、いくら忘れまいと思っていても、20年の歳月は人の記憶を薄れさせるということ。だからこそ、定期的にこのような企画を行なう必要があるのだ。これから他館で行なわれる震災関連展もチェックして、あの日の記憶を今一度定着させたい。
2014/11/22(土)(小吹隆文)