artscapeレビュー
「ZERO:明日へのカウントダウン、1950-60」展
2015年01月15日号
会期:2014/10/10~2015/01/07
グッゲンハイム美術館[アメリカ合衆国ニューヨーク市マンハッタン]
グッゲンハイム美術館のZERO展が思いがけず、素晴らしい。1950-60年代にドイツ、オランダ、ベルギー、イタリアのアーティストらが展開した、戦後の新しい出発としての芸術運動ゼロに焦点をあてたものだ。2013年にグッゲンハイムで同時代の具体美術展を開催していたが、20世紀の再考シリーズである。ゼロ展は、デュッセルドルフから始まった歴史、展覧会の再現、雑誌、映像、キネティック、振動や揺らぎによる視覚効果、火や煙で描く絵画、ニューマティックへの関心、光の操作などを紹介し、なるほど、その先駆性が確認できる。展覧会に参加したイヴ・クラインは、本当に才能があったのだと改めて感心させられる。
2014/12/30(火)(五十嵐太郎)