artscapeレビュー

Stolen Names

2015年01月15日号

会期:2014/12/19~2014/12/27

京都芸術センター[京都府]

「作品に関わるおよそ全ての情報(あるいは手がかり)が盗まれた状態にあ」り、作品がただ作品として、会場に混在するというコンセプト。床には漢詩が書かれ、粘土による造形が置かれている。または、モニターに映し出される集団行動、なにものかの資料などなど。そもそもタイトルしかテキストがない中、まったく心にひっかからない自分が居て、コンセプトにある「作品と向き合う時、いつから私たちは答えを求め、手がかりを探し続けるようになったのだろう」状態に。しかし、その空間自体の魅力や展覧会としてのトータルのおもしろさにまでたどり着くことが出来ない(と感じ)退室してしまった。会期中、名前を語らない放送室のようなプロジェクトなどが関連企画として行われ、ウェブサイト(http://stolen-names.tumblr.com/)にて公開されている。会場風景、ウェブ上には2時間強の映像作品もあり、試みとしては、ここを見るだけでもけっこう満足。では会場では、どう味わえば良かったのだろう。会場にいたのは短い時間、瞬く間の記憶としてだが、もう少し私の心に残ってくれそうではある。

2014/12/27(土)(松永大地)

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