artscapeレビュー
トッド・マクレラン「THINGS COME APART」
2015年01月15日号
会期:2014/11/22~2015/01/04
Paul Smith SPACE GALLERY[東京都]
カナダ・トロントをベースに活躍するフォトグラファー、トッド・マクレラン(Todd McLellan)の仕事から「Disassembly Series(分解シリーズ)」と呼ばれる写真作品が紹介されている。黒電話、タイプライター、カメラ、PC、時計等々、道端に捨てられていたガジェットを拾ってきてばらばらに分解し、白い背景の上にならべて撮影した写真シリーズ。言葉にしてしまうと至極簡単なのだが、露わにされたガジェットの機構の面白さと、それぞれがきちんと機能を持った部品によるコンポジションの美しさには驚かされる。これは当然かも知れないが、アナログで可動部が多い機械ほど構造は複雑で部品数が多い。タイプライターやアコーディオンの写真には膨大な数の部品が並んでいる。対して、DVDプレーヤはとても単純に見える。PCの構造は単純に思われるが、キーボードのキーなど意外に部品の数が多い。部品を並べて撮影した写真ばかりではなくそれらが宙を舞っている写真があるが、マクレランのウェブサイトを見ると実際に部品を落下させてストロボ撮影しているようだ。展覧会を企画したポール・スミスとは3種類の腕時計でコラボレーションしている。メカ好きにはたまらない作品。[新川徳彦]
Disassembly behind the scenes from Todd McLellan Motion/Stills Inc. on Vimeo.
2015/01/03(土)(SYNK)