artscapeレビュー
神蔵美子「たまきはる──父の死」
2015年01月15日号
会期:2014/12/12~2015/01/25
NADiff Gallery[東京都]
『たまゆら』『たまもの』に続く神蔵美子の写真集『たまきはる』の出版記念展。「たま」シリーズ第3弾、というとミもフタもないが、「たまゆら」も「たまもの」も神に通じる高貴な概念であり、「たまきはる」も命にかかる枕詞だそうだ。恥ずかしながら知りませんでした。写真集のほうは、さまざまな人たちとの出会いと別れを聖書と照らし合わせながら綴ったもので、文章だけでも60ページにも及ぶという。展示では父との別れを中心に再構成しており、子どもの神蔵と写ったまだ若いお父さんの写真から、死の床、葬式、焼き場の風景、そして骨になって拾われるお父さんの残骸まで、花や空の写真を挟みながら淡々と並べられている。
2014/12/12(金)(村田真)