artscapeレビュー

フューリー

2015年01月15日号

映画『フューリー』(監督:デビット・エアー)を見る。反『永遠の0』映画として素晴らしい。涙のネタとして戦争を使う『永遠の0』のような、CG頑張りました、そしてお前ら泣けという過剰な物語をつけることがない。回想も後日談も何もない、戦場のみの描写に終始し、本物の戦車がかもしだす実在感と、ディテールの表現で押し切る超重量級の作品である。『永遠の0』が押し付けるような説教臭い道徳もない。ちなみに、『紙の月』の観客がOLばかりだったのに対し、『フューリー』はほとんど高齢の男性だった。

2014/12/19(金)(五十嵐太郎)

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