2021年04月15日号
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artscapeレビュー

鉄道芸術祭vol.4「音のステーション」プログラム

2015年01月15日号

会期:2014/10/18~2015/12/23

アートエリアB1[大阪府]

京阪なにわ橋駅の地下一階コンコースに2008年に開設されたアートエリアB1。「文化・芸術・知の創造と交流の場」をテーマに、企業・大学・NPO法人が協同で、駅という特性やその可能性に着目したさまざまなイベントや展覧会を実施している。この会場を舞台に2010年よりはじまった「鉄道芸術祭」は多様なプログラムを展開するアートイベント。第4回目となった今回は〈音・技術・ネットワーク〉をテーマに開催された。「音」にまつわる制作活動を行っているアーティストの作品展示のほか、コンサート、公開ラジオ、トークライブなど多数のイベントが行われた。なかでも斬新だったのが実際に走行する電車内でのライブ・パフォーマンス「ノイズ・トレイン」。出演アーティストの伊東篤宏、鈴木昭男、和田晋侍とともに観客も中之島駅発の貸切電車に乗り込み、出発の中之島駅から樟葉駅で折り返す電車が、なにわ橋駅に到着するまでのおよそ一時間半の公演。放電ノイズを拾って音を発する伊東のオリジナル楽器、「OPTRON」のライブが行われた車両内部は人だかりで、私はあまり接近できなかったが、車窓全てのカーテンがひかれたなかでチカチカと強い光が明滅するその怪しげな車両はノイズ音と光がスパークする強烈な空間だった。2つの車両を移動しながら行われたサウンド・アーティストの鈴木昭男の《アナラポス》演奏、和田晋侍のドラム演奏空間など、観客はアーティストたちがそれぞれライブを行う車両を自由に移動しながらパフォーマンスや空間を楽しむのだが、その時間自体が刺激的で面白い。電車の走行音や車窓を流れていく外の景色、通過する駅の様子がいつもとは違うものに感じられ、新鮮。ユニークで独創的なイベントだった。


電車公演「ノイズ・トレイン」ウェブサイトhttp://artarea-b1.jp/archive/2014/1206629.php

2014/12/06(土)(酒井千穂)

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