artscapeレビュー

「CUBISM THE LEONARD A. LAUDER COLLECTION」展

2015年01月15日号

会期:2014/10/20~2015/02/16

メトロポリタン美術館[アメリカ合衆国ニューヨーク市マンハッタン]

ラウダー・コレクションによるキュビスム展は、ブラックとピカソの二人が、1910年前後に毎年どのように急速に進化したかを並べつつ、グリやレジェの試みも紹介する好企画である。別のセクションでは、ブラックの40年代の室内絵画があり、上から見下ろす折りたたまれた不思議な遠近法だった。続いて、ポロックの6点の絵画を見る。3点はアメリカの抽象画の流れに置かれ、適度に余白を残した「秋のリズム30」が白眉である。残り3点は、彼が師事したベントンの巨大壁画「アメリカ・トゥデイ」(1930~31)をめぐる展覧会に関連して、ポロックの初期作品が紹介されていた。トーマス・シュトルートの特集展示は、1970年代半ばのニューヨークを撮影した初期の作品から、パンテオン、ミラノ大聖堂、天安門広場、タイムズスクエアなどの建築や風景写真までを紹介する。またエル・グレコ展も開催中で、複数の企画展が同時に開催できる巨大美術館ならではの充実した内容である。

2014/12/30(火)(五十嵐太郎)

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