2021年11月15日号
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artscapeレビュー

渡辺好明遺作展「光ではかられた時」

2013年01月15日号

会期:2012/12/07~2012/12/24

東京藝術大学大学美術館陳列館[東京都]

渡辺さんはぼくと同世代だけど名前を知ったのはそんなに昔のことではなく、20年ほど前に野外で階段状に並べたロウソクに火を灯したインスタレーションの写真を見たときだ。そのとき思ったのは「いい作家だなあ、でもなんでいままで知らなかったんだろう」ということだった。なぜ彼を知らなかったかといえば、彼が藝大の院を出てからも助手を務め、ドイツに留学後も藝大一筋というアカデミシャンだったからだろう。アーティストより教育者、大学人としての立場を優先していたように思う。それは99年に取手に先端芸術表現科が立ち上がり、毎週顔を合わせるようになって強く感じたことだ。先端にはセンセーが何人もいたが、取手アートプロジェクトをはじめとする雑事を一身に背負っていた印象があり、作品制作の時間など満足にとれなかったはず。結局遺された作品は、燃え尽きたらなくなるロウソクの作品ばかり。それが渡辺さんらしいといえばらしいけど。

2012/12/19(水)(村田真)

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