artscapeレビュー
ディア・ビーコン美術館
2013年01月15日号
[アメリカ、ニューヨーク]
美術界からの評価が高いニューヨーク近郊のディア・ビーコンへ。
巨大工場をまるごと現代美術の空間にしたもの。なるほど、建築家は余計なことすんなと言いたくなるカッコよさだ。いまあるジャッドやデマリアはそれほどでもなかったが、サンドバッグの糸による幾何学、ルウィットの手描き数学空間、マイケル・ハウザーらの作品がよかった。
外光が届かない地下は、国立近代美術館でもやっていたような初期ビデオアートの特集展示を開催している。全体としては、リチャード・セラ、ハウザー、ロバート・スミッソン、ダン・フレヴィンなど、ミニマリズムやランドアートが多く、建築に影響を与えた作家が多い。チェンバレインの車をぐしゃぐしゃにした彫刻もゲーリーへの補助線が引けそうだ。
2012/12/29(土)(五十嵐太郎)